幾何公差とは
幾何公差とは寸法を制御するものが寸法公差であるのに対し、
形状を制御するものを幾何公差といいます。
幾何公差は形状公差、姿勢公差、位置公差、振れ公差の4種類に分類されますので、
ひとつひとつ紹介して行きたいと思います。
形状公差とは
幾何学的に正確な形状に対するバラつきの許容限度の
領域を表すもので、6種類の特性があります。
- 真直度
- 平面度
- 真円度
- 円筒度
- 線の輪郭度
- 面の輪郭度
形状の公差にはデータム※を用いません。
(※データムとは、寸法測定や加工をする場合に基準とする線や点、面のことを指します。)
姿勢公差とは
5種類の特性があり、データム※に関連した幾何学的に
正確な姿勢に対するバラつきの許容限度の領域を表します。
- 平行度
- 直角度
- 傾斜度
- 線の輪郭度
- 面の輪郭度
位置公差とは
データムに関連した幾何学的に正確な位置に対する
バラつきの許容限度の領域を表すのが位置公差であり、その特性は6種類あります。
- 位置度
- 同心度
- 同軸度
- 対称度
- 線の輪郭度
- 面の輪郭度
振れ公差とは
2種類の特性があり、データムを軸にして部品を回転させた時の
表面の振れの度合いに対するバラつきの許容限度の領域を表します。
- 円周振れ
- 全振れ
許容限度の領域について
真直度とは
JISでは、「直線形体の幾何学的に正しい直線からの狂いの大きさ」と定義されています。
どれくらい正確に真っすぐな線であるべきか、中心線や母線などの間借りを表しています。
平面度とは
JISでは、「平面形体の幾何学的に正しい平面からの狂いの大きさ」と定義されています。
どれくらい正確に平らな面であるべきか、表面の凹凸を表しています。
真円度とは
JISでは、「円形形体の幾何学的に正しい円からの狂いの大きさ」と定義されている。
どれくらい正確な円形であるべきか、軸や穴、円錐などの断面上の円周のゆがみを表しています。
円筒度とは
JISでは、「円筒形体の幾何学的に正しい円筒からの狂いの大きさ」と定義されている。
どれくらい正確な円筒形であるべきか、円筒表面のゆがみを表しています。
線の輪郭度とは
JISでは、「理論的に正確な寸法によって定められた幾何学的に
正しい輪郭からの線の輪郭の狂いの大きさ」と定義されている。
- 形状公差
どれくらい正確な形状であるべきか、
輪郭線(曲面の切断面上の線要素)のゆがみを表しています。 - 姿勢公差
データムに対し、輪郭線(曲面の切断面上の線要素)が
どれくらい正確な姿勢にあるべきかを表しています。 - 位置公差
データムに対し、輪郭線(曲面の切断面上の線要素)が
どれくらい正確な位置にあるべきかを表しています。
面の輪郭度とは
JISでは、「理論的に正確な寸法によって定められた幾何学的に
正しい輪郭からの面の輪郭の狂いの大きさ」と定義されている。
- 形状公差
どれくらい正確な形状であるべきか、輪郭面(表面)のゆがみを表しています。 - 姿勢公差
データムに対し、輪郭線面(曲面)がどれくらい正確な姿勢にあるべきかを表しています。 - 位置公差
データムに対し、輪郭線面(曲面)がどれくらい正確な位置にあるべきかを表しています。
平行度とは
JISでは、「データム直線、データム平面に対して平行な幾何学的直線
または幾何学的平面からの平行であるべき直線形体又は平面形体の狂いの大きさ」
と定義されている。
データムに対して中心線や中心面、表面などがどれくらい正確に平行であるべきかを表しています。
直角度とは
JISでは、「データム直線、データム平面に対して直角な幾何学的直線
または幾何学的平面からの直角であるべき直線形体又は平面形体の狂いの大きさ」
と定義されている。
データムに対して中心線や中心面、表面などがどれくらい正確に直角であるべきかを表しています。
傾斜度とは
JISでは、「データム直線またはデータム平面に対して理論的に
正確な角度をもつ幾何学的直線または幾何学的平面からの理論的に
正確な角度を持つべき直線形体及び平面形体の狂いの大きさ」と定義されている。
データムに対して中心線や中心面、表面などがどれくらい正確な傾きであるべきかを表しています。
位置度とは
JISでは、「データム直線または他の形体に関連して定められた
理論的に正確な位置からの点、直線形体または平面形体の狂いの大きさ」と定義されている。
データムに対して中心線や中心面、表面などがどれくらい正確な位置であるべきかを表しています。
対称度とは
JISでは、「データム軸直線又はデータム中心平面に関して
互いに対称であるべき形体の対称位置からの狂いの大きさ」と定義されている。
データムに対して中心線や中心面、表面などがどれくらい正確に対称であるべきかを表しています。
同心度とは
JISでは、「データム円中心と同一中心上にあるべき点のデータム円中心からの狂いの大きさ」と定義されている。
データムに対して円の中心がどれくらい正確に同心であるべきかを表しています。
同軸度とは
JISでは、「データム直線と同一線上にあるべき軸線の
データム軸直線からの狂いの大きさ」と定義されている。
データムに対して中心線がどれくらい正確に同軸であるべきかを表しています。
円周振れとは
JISでは、「データム軸直線を軸とする回転面を持つべき対象物又は
データム軸直線に対して垂直な円形平面であるべき対象物を
データム軸直線の周りに回転したとき、その表面が指定した位置又は
任意の位置で指定した方向に変位する大きさ」と定義されている。
部品を1回転させ、表面の一部(指定または任意に選択された場所)がどれくらい振れてもよいかを表しています。
全振れとは
JISでは、「データム軸直線を軸とする回転面をもつべき対象物又は
データム軸直線に対して垂直な円形平面であるべき対象物を
データム軸直線の周りに回転した時、その表面が指定した位置又は
任意の位置で指定した方向に変位する大きさ」と定義されている。
部品を回転させたとき、表面全体がどれくらい振れてもよいかを表しています。
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